「天皇と東条英機の苦悩―A級戦犯の遺書と終戦秘録」を読んで

天皇と東条英機の苦悩―A級戦犯の遺書と終戦秘録

日本文芸社
塩田 道夫

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此の本の主役は笹川良一であり、表題の二人は、實【実】は脇役に過ぎなかつた。東條英機のことが知りたかつた私は正直、(´-`).。oO(看板に僞【偽】りありとまでは言はないけど、「東京裁判の影の立て役者・笹川良一」と云ふタイトルの方が親切だよな)と思つた。其処には少しでも人の目を引くタイトルに…と云ふ、大人の事情が絡んではゐるんだらうけど。

東京裁判を勉強し始めた私にとつては知らない事許りで、勉強に成つた本ではあつた。處【処】刑されたA級戰犯の遺骨の取り扱ひに就いてはかなり酷いと思ふ。戰爭は負けたら駄目だねー。遺族にさへ渡されず、有志が米軍の目を盜んで共同骨捨て場から骨を盜まなければならなかつたとは知らなかつた。此れさへ教へない日本の教育つてどうよ?

笹川良一

義侠心に溢れた中々の快男子ではあるが、此の本だけではまだ何とも判斷しづらい人物である。東條英機や他のA級戰犯(正しくはAの部類に入つた戰犯)達の發【発】言内容や巣鴨プリズンの生活に多大な影響を與【与】へたとあるが、あまりに作者が持ち上げてゐるので、贔屓の引き倒しと云ふか、「本當【当】かなあ?」と言ふ氣もしないでもない。

昭和天皇

此の本を讀【読】むと戰犯として處【処】刑されるよりも、「戰爭責任がある癖に生き長らえやがつて」と罵られ乍ら、其れでも「天皇」と云ふ地位の持つ歴史の深さと、長い年月をかけて數【数】えきれない程多くの人々がその名に込めていつた命や正負樣々な想ひの重さを背負つて生き續【続】ける方が、私には余程茨道だと云ふ氣がした。

記入時刻
2006年05月29日01時33分33秒
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