夕凪の街桜の国

夕凪の街桜の国

双葉社
こうの 史代
このアイテムの詳細を見る

この漫画の存在は知っていたが、悲しいものを読みたい気分になかなかなれなかったことと、異口同音に素晴らしいと言われると少し距離を置いてしまう天の邪鬼なので、長らく手にとることはなかった。しかし、先日のNHKスペシャル「被爆者 命の記録 〜放射線と闘う人々の60年」を見たのがきっかけで、買ってみたわけです。
ヒロインが10年たってようやく幸せへの一歩を踏み出したとたん、後障害に襲われる。最後の部分の「うれしい?」というあたりのモノローグは、突き刺さってくるものがありますね。

それにしても、あの番組には驚かされました。後障害のなんと恐ろしいことか。後障害は何十年経とうともその手を決して緩めることなく、被爆者を苦しめ続ける。その手からすりぬけたかと思っても、次の瞬間には捕まっている。その苦しみから逃れる唯一の方法は、死ぬことだけなのだ。

私が知らなかっただけなのかもしれないが、後障害等の恐ろしさなどいささかアピール不足なのではなかろうか。同じ日本人でもよく知らないのだから、ましてや日本以外の国の人など。「原爆を落としたから、戦争が早く終わった。本土決戦になったら、もっとたくさん死んでた」という意見もあるけれど、やはりそれは詭弁だろう(推定で肯定されてもな)。
原爆関係の証言で、なるほどと思ったのは平和と長崎のシリーズ被爆者の証言。それぞれが含蓄に富んでいたが、特に永野若松氏がアメリカの戦い方について述べたところは読ませた。

記入時刻
2005年08月09日23時29分30秒
カテゴリー
漫画
コメント
0